2016/11/13

2016年日本地理学会秋季学術大会発表資料「地域住民の常識知を生かした持続的な生活環境の形成に関する研究: 茨城県大洗町磯浜地区における高潮対策事業への住民の対応を例として」 Formation of sustainable living environment based on commonsense knowledge of local residents: In case of resident’s response to flood tide protection measures in Isohama district, Oarai Town, Ibaraki Prefecture




2016/10/01
日本地理学会秋季学術大会発表スライド
Presentation-slides of the 2016 Autumn General Meeting of the Association of Japanese Geographers

東日本大震災津波被災地の一つである茨城県大洗町の宮下地区で、
防潮堤を1.5m嵩上げする (管理用通路路面から堤防の天端までの高さは2.2mに) 県の高潮対策事業計画に対して
住民の一人がより総合的な検討を求める意見書を書きました。
それに町内会加入者の多数が賛同し、県は町内会でよく話し合い代替案を検討してはどうかと
提案を行い、当の事業は一度止められています。
私は、町内会加入者がそれぞれに意見書をどう読んだか知りたいと考え、また、
賛同が多かった背景には当地における防災から生活文化までに至る深い理解があったのではないかと仮定し、
これらを確認するために町内会に許可を得て2016年4月から9月にかけて本調査を行い
その結果を同年10月1日に日本地理学会学術大会で報告しました。

そして、宮下町内会加入者に対しては、11月9日に二度、昼 (13:00-15:00) と夜 (20:00-22:00) に報告会を開き、
調査結果をお伝えしました。
その上で、 町内会これから半年ほどを目処に地域の海岸防災・減災について検討し、
代替案を作成することました。
翌11月10日14:00-16:00には、大洗町役場より町長および各課職員の方々と
茨城県より茨城港湾事務所大洗港区事業所長ほかの方々へ
調査結果と町内会決定事項を説明し、承認を得ました。

私は、調査を研究ボランティアとして担当しました。
今後は、同町内会の委託を受けて、 住民主体による高潮対策事業代替案作成に
業務として参画します。

なお、宮下町内会の依頼により、本調査の概要を説明する日本地理学会学術大会発表スライドを、
関係者が自由に確認できることと、同様の課題を抱える他の地域の方々の参考としていただくことの
二つの目的から、ブログ「東北風景ノート」の記事として公開します。 

発表要旨ダウンロードURL:
https://researchmap.jp/mur7i2uwv-2148896/#_2148896